欧州委員会

欧州連合(EU)と朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)

http://europa.eu.int/comm/external_relations/north_korea/intro/index.htm

2001年4月2日

EU の DPRK に対する政策

1.政治的脈絡

朝鮮戦争(1950〜3年)は、休戦協定で中断させられたが平和条約は結ばれず、それゆえ、その半島では技術的な戦争状態がはびこっている。3万7千人のアメリカ軍が南に駐留している。2つの朝鮮の間の非武装地帯は、おそらく世界で最も重防備された境界線だ。地域の不安定ということに関していえば、南アジアや中東のような地域へのミサイルとミサイル関連技術の DPRK の輸出についての世界的な武器拡散問題がある。

1998年以来、EU は DPRK と高官(地域担当部長)レベルで3度にわたる政治対話を行い、最も最近ではそれは2000年12月に平壌で行った。この対話は、懸念される分野や相互利益についての幅広い範囲にわたる率直な意見交換を可能にした。 EU は、DPRK の政策の様々な側面が EU にとって深刻に懸念される問題だとDPRKに明らかにした。これらには、人権、ミサイルおよび核兵器の活動、それに南やその他の諸国との関係などの地域安全保障の問題がふくまれる。しかし同時に、 EU は、懸念される分野での何らかの前進を条件として、DPRK との関係改善に原則的な異存はないというシグナルを送った。

1999年7月に、EUは、朝鮮半島に関する欧州理事会決議において、DPRK との将来の関係のための一貫したロードマップを提示した。EU は、2000年6月の南北首脳会談を歓迎し、南北和解プロセスを前進させる努力を強く支持してきた。2000年 10月9日と11月20日の欧州理事会決議で、朝鮮半島と DPRK に対する、より調整されたアプローチが提示された。それは、南北和解の前進、武器不拡散問題、人権尊重、それに DPRK における経済構造改革に関する EU や国際社会の関心への朝鮮の反応と結びつけられた評価可能な方法で、我々の支援努力を拡張していこうと計画されている。

2001年3月23日、24日の欧州理事会ストックホルム会期では、朝鮮半島における平和と安全と自由の支持において EU の役割を高めることで合意された。欧州理事会議長が両朝鮮の大統領と会談するために平壌とソウルを訪問するだろう。

たいていの加盟諸国は、今や DPRK と外交関係を樹立しているか、あるいは、関係樹立の過程にある。EU 自体(厳密に言えば「欧州共同体」)は、まだ DPRK と外交関係を持っていない。

2.共同体の支援

EU は、朝鮮半島における、そして、DPRK に対しての平和を促進し、安定を維持するための国際的努力への支援でさまざまな活動に着手した。

朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)は、DPRK の(核兵器転用の核分裂物質の生産がしやすい)既存の原子炉施設を、IAEA の管理の下で、より安全で、より拡散防止的な軽水炉型原子炉に置き変えるために、1995年にアメリカ、日本、韓国(ROK)によって設立された。EU は、創設メンバー3ヶ国とならぶ経営理事会メンバー国として、1997年に参加した。参加協定の条件により、EU は2000年末までに機構へ総額7千5百万ユーロの資金を提供した。多くの EU 加盟国の二国間寄贈とは別個にである。2001年以後の EU の地位は KEDO 内での交渉に従う。 KEDO メンバーの地位は、北東アジアの安全保障に寄与するという EU の希望と、国際舞台での EU の政治的外観の向上とを非常に明確に、確実に示すものだ。

EU はまた、DPRK における経済危機の人道的な成り行きを軽減し、その根本原因に対処するよう努める支援の最大かつ最も一貫した援助国・援助機関のひとつだ。この問題に世界中の関心を集中させた深刻な洪水以後、EU は1995年に初めて介入し、それ以来、毎年かなりの援助を提供してきた。この間、EU は、総額約2億ユーロ相当の様々な形の支援(食糧援助、農業復興支援、非食糧人道支援)を提供してきた。

EU からの大抵の食糧援助は、特に1998年以降、二国間援助で提供された(すなわち、EU は食糧援助を送り、そして、配送をモニターするため駐在の技術援助者を雇用した)。若干の補完的な寄贈は、国連世界食糧計画経由で供与された。 EU はまた、農業復興への支援を提供してきた。これは、投入物の供給(特に肥料)からなるが、また、協同農場での試験的プロジェクトへの資金提供もある。こららは大抵、ヨーロッパの非政府組織(NGO)を通じて実行された。最後に、 EU は、様々な形の非食糧人道支援を提供した(例えば、越冬対策、医薬品供給、水質・衛生改善のための支援)。これらもまた、ヨーロッパの NGO によって遂行され、それらの DPRK での活動条件は最近、改善されている。

2000年10月9日と11月20日の欧州理事会決議に従って、今や、技術的支援と、朝鮮輸出品の欧州市場参入可能性の拡張という形の評価可能な方法で支援が拡大されている。最初のステップとして、委員会は、昨年12月に、2001年の DPRK 製織物輸入の共同体織物割当を一般に60パーセント(若干の生産物カテゴリーの場合は50パーセント)増加させるよう決定し、第2のステップとして、欧州委員会は、加盟諸国や基軸的な援助国と密接に調整しながら、技術的支援のニーズを査定し、その後、委員会によって開始されうる試験的プロジェクトの分野(主に市場経済訓練、エネルギー部門復興、農村開発)を確認する専門家チームを朝鮮に派遣した(2001年2月半ば)。プロジェクト準備の課題は、じきに完遂されるだろう。

3.交易関係

EU と DPRK の貿易はごくわずかであり、そのことは、DPRK の自給自足的経済政策(1990年以来毎年縮小し、それ以来全体で50パーセント余りに縮小した。)、経済の困難な状態、それに、DPRK が一時、対外貿易拡大を追求した1970年代にさかのぼる幾つかの加盟国への商業債務の突出といったような様々な要因を反映している。1998年に相互貿易は総計3億1,460万エキューだった。比較してみると、これは EU のスーダンやエチオピアとの貿易の半分足らずであり、韓国との EU の貿易、248億エキューの1.3パーセントほどだった。

4.基本データ

公式名:     朝鮮民主主義人民共和国
人口:      2,140万人(推計)
国土面積:    12万540平方キロ
失業率:     公式データなし
年成長率:    利用可能なマイナス成長率推計:-1.1%(韓国中央銀行)、
         -5%(CIAワールド・ファクトブック)
通貨:      ウォン(公式レート:1米ドル=2.13ウォン)
貿易高:     公式データなし
外貨準備高:   公式データなし
一人当たり所得: およそ700〜1,000米ドル(推計)
国家と政府の代表:国家元首:金正日国防委員会委員長
         政府代表:洪成南首相