北朝鮮の子どもの栄養状況 やや改善あるも、支援の継続必要

http://www.reliefweb.int/rw/RWB.NSF/db900SID/HMYT-6A9MFL?OpenDocument&rc=3&cc=prk

[2005年3月7日北京] 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の子どもの栄養失調率 が過去二年間で低下したものの、依然高い段階にある事が、国連機関の調査に より明らかになった。調査を発表した国連機関は、こうした成果を維持する為 には、国際社会が大規模かつ対象を絞り込んだ支援を継続しなければならない と語った。

今回の調査は子どもと母親の栄養状態を無作為抽出方式で大規模に調べたもの で、昨年10月に北朝鮮政府の中央統計局と子ども栄養研究所により、UNICEFと 世界食糧計画と共同して行われた。

全国9道のうち7道と首都ピョンヤン市の4800名の6才以下の子どもと、2才以下の 子どもをもつ2109名の母親が調査の対象とされた。

調査に携わった両国連機関によると、今回の調査は2002年10月に行われた調査と は厳密には比較できないものの、肯定的な兆候が見られた。

このような改善は、近年国際社会が大規模な支援を北朝鮮に行ってきたことに 負っているとWFPとUNICEFは語った。

北京で行われた記者会見でリチャード=ラガンWFP北朝鮮担当理事は「結果は 希望のあるものです。最弱者層に対して我々が提供しているバランス・レーショ ンや栄養強化食が役立っている事が明らかになった」と語った。

6才以下の子どもの低体重(年齢に対する体重)は21%から23%へと増加したも のの、最も栄養失調の影響を受けやすい1才から2才の子どもに関しては25%か ら21%へと低下した。

子どもの栄養失調率は地域によって大きく異なり、食糧事情の厳しい北部地域 が最も高く、特にピョンヤン市など比較的肥沃で裕福な南部が最も低くなって いる。

北朝鮮で650万人の人々を支援しているWFPは、穀物レーションと、UNICEFの微 量栄養素が添加された栄養強化食を、妊産婦や保育園、幼稚園の子どもに配給 している。小学校の児童には毎日栄養強化ビスケットが与えられている。特に 都市部の児童は自宅で食べる為の穀物レーションも配給されている。

また調査対象となった母親の3分の1が栄養失調で貧血症であることが判明した。 これが子どもの栄養失調の主な要因となっている。これは懸念すべき事態であ る。この数字は過去2年間で改善していないのである。

「母親の健康・栄養状態によって子どもの状態も否応なく決まってきます。発 育障害の悪循環を断ち切る為には、その改善が死活的なのです」とピエレット =ヴィ=ティUNICEF北朝鮮代表は語った。

子どもを食べさせるというのも、同じように重要な事である。乳児には母乳が 最適かつ最も安全であり、生後6か月間に必要となる栄養分を十分に摂らせる 事ができる。しかし調査によると、そのように母乳のみを与えられている6か 月以下の乳児は三分の二に過ぎない事が分かった。また6か月から9か月までの 乳児で補助食品を与えられているのは三分の一以下であった。国際基準ではこ れは必ず必要なものとされている。

調査実施日までの二週間の間に五人に一人の子どもが下痢を患っており、12% が急性呼吸器感染の兆候が見られる。更に栄養失調に伴って、数多くのごくあ りふれた小児疾患によって子どもの生命が危機にさらされていることが明らか になった。

世界保健機構の基準で見ると消耗・低体重の子どもの割合は依然「高」の段階に あり、2002年度調査と比べても母親の栄養状態に改善は見られない。やるべき課 題は多い、とWFPとUNICEFは語っている。

両機関は、北朝鮮に対し食糧その他の支援を国際社会が続けるよう訴え、子ども や生殖年齢期の女性など、特定の弱者層を対象にした支援事業を拡大すると約束 した。