朝鮮人道支援ネットワーク・ジャパン(ハンクネット)についてのQ&A集

Q:ハンクネットはどんな人たちが参加している市民団体なのですか?

A:私たちハンクネットは、朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)の現在の国家体制に批判的な人であれ、朝鮮の体制に共感し、擁護する人であれ、あるいはまた、それらの中間的な人であれ、とにかく朝鮮の多くの子どもたちが食糧危機で死んでいっているかもしれないという事実を前にして、海外にいても、そのことをけっして見過ごさないという一点だけで共通の支援活動を行なっていく、日本人と在日朝鮮・韓国人が参加している市民団体です。

Q:ハンクネットはどのような方法で食糧支援を行なっているのですか?

A:私たちハンクネットは、朝鮮で緊急食糧援助を行なっている世界食糧計画(WFP)という国連機関への朝鮮向けの募金や、朝鮮の特定の子ども施設への粉ミルクなどの直接援助を通じて支援を行なっています。私たちは、あくまで飢えた栄養不良の子どもたちに向けて援助をしています。そして、その目的を達成するために、国連機関や他のNGOや朝鮮政府機関など、どのような機関からも協力を得られるよう努力しています。

Q:ハンクネットが主張している「人道支援」とは、どのような意味ですか?

A:私たちが意図している「人道支援」というのは、国際赤十字運動や、国連による世界人権宣言などに謳われてきたような精神に基づく、困窮した人々への無条件の援助、支援のことです。人間は、どのような人々に対してでも、その人々がきわめて困窮している場合には、まず同じ人間どうしとして、その人々の最低限の基本的な「人間の尊厳」が守られるよう助けなければならないと私たちは考えています。そうすることは、困窮した人々に少しでも役立つばかりでなく、私たち自身が人間としての生き甲斐を与えられる機会ともなりえます。

Q:朝鮮は何人もの罪のない日本人を拉致したのであり、それは日本人にとっては見過ごせない重大な「人道問題」だと言えますが、朝鮮がそういう「人道問題」を完全に解決していないのに日本から一方的に人道的な食糧援助を行なうのはおかしいのではないですか?

A:「拉致問題」について、私たちハンクネットは、朝鮮政府が一日も早く明 確な真相を明らかにし、被害者に対する原状回復的措置や補償措置を無条件に行 なうべき深刻な人道問題であると考えます。けれども他方で、日本と朝鮮との間には、かつての植民地下での強制連行問題や従軍慰安婦問題など、やはり同じ非人道的な植民地政策の清算問題も残されています。こうした問題では逆に、日本政府がいっそう情報を開示し、積極的に補償・賠償しなければならないと考えます。歴史的経緯や歴史的道義性からすれば、むしろ日本側から先にこれらの補償・賠償問題に取り組んでこそ、拉致問題の真相究明をより正々堂々と要求することができるとさえいえるでしょう。

しかし、いずれにせよ、私たちハンクネットは、そうした両国間の政治問題や人道問題が起こってきた一番の理由は、1945年以後、半世紀以上も両国の国交がなく、まったく異常な関係だったことにあると考えています。私たちは、こうした困難で紛糾した問題が一日も早くすべて解決されることを望まずにはいられません。そして、日本から人道的な食糧援助を続けていくことは、そうした難しい問題の解決を少しでも促すことにはなっても、それを妨げることにはけっしてならないと、私たちは考えます。

Q:朝鮮は、何億ドルもの費用をかけてテポドン・ミサイル(または、ロケット)を発射して、日本上空を飛び越えさせたりと、軍備に多額の予算をつぎ込んでいて、その分、農業などの分野がおろそかになり、それで、食糧難になっているのではありませんか?そういう国に人道的な食糧援助をする必要があるのでしょうか?

A:朝鮮で何がいちばんの原因で、どのようにして食糧危機が起こったのかは、世界中の誰にとっても簡単に決め付けることはできません。今日、いろいろな学者や専門家たちが、さまざまな評価を下していますが、そういう中でもっとも信頼できる見方は、国連の援助機関が調査をして世界中に向けて発表している国連報告書の内容であると、私たちハンクネットは考えています。それらの国連報告書の内容にもとづいた「朝鮮の食糧難の現状」を説明したページがこのホームページ中にありますので、ぜひそちらもご覧ください。

Q:日本政府が主張しているように、拉致問題や核開発問題を朝鮮政府が解決しようとしない限り、政府による人道支援は行うべきではないと思いますが?

A:人道支援には如何なる政治的条件も付されるべきではないと私達ハンクネットは考えます。

何故ならまず第一に、援助を受けとる人々が日朝間の政治問題に直接関与できるわけではないからです。従って政治問題を援助の条件とすると、自分たちとは関りのない事のために、生きることができたかもしれない希望を失うことになります。援助を受けとる人にとっては理不尽なことです。

第二に、援助には安定供給が不可欠だからです。時の政治関係により援助が再開したり中止したりするのでは、その援助に頼ることができません。援助に頼っている人がいれば、突然の援助中止によって死ぬかもしれないからです。

このように、政治問題を援助の条件にすることは、援助を通じて対象国の人々の生命を操作することを意味します。それは「全ての人に生きる道を」求める人道主義とは真っ向から対立する考え方です。

日本では当たり前のように援助が中止されましたが、国際社会においてこのような外交は例外的です。ちなみに米国は、1990年代から現在にいたるも依然として最大の援助提供者の一つです。

Q:朝鮮に食糧援助しても、党や軍隊が消費してしまい、本当に餓えている人達に届かないという話を聞いたことがあります。また朝鮮政府が、他の国では当たり前に行なわれるような援助のモニタリング(監視)を拒否しているとも聞いたことがありますが、もしそうなら、そのような環境では食糧援助は止めるべきではないですか?

A:朝鮮への海外からの食糧援助のうち、二国間援助を除くほとんどの国際援助は世界食糧計画(WFP)を通して行われていますが、WFPは月に300〜400回くらい朝鮮国内のさまざまな援助先をモニタリング訪問し、これまでほぼ間違いなく援助が計画通り届いていると何度も報告しています。更にWFPはアクセスできない地域への援助は行っていないとのことです。

また、朝鮮政府がWFPなど国際機関によるモニタリングに一定の条件を付けてきたのは事実ですが、そうした制約は朝鮮政府が援助を横領するために不正を行なっているためであるとは、国連機関は判断していないようです。むしろ、形式的にはアメリカや韓国との間でいまだ戦争状態が終わっていない朝鮮における特殊な社会環境のせいだと見ているようです。

日本のメディアなどが軍事転用の危険性について喧伝していますが、いたずらにこうした報道をうのみにするのではなく、まずは自分たちでより深い情報にあたってみることが重要ではないでしょうか。

私たちハンクネットが行っている粉ミルク緊急支援キャンペーンでは、粉ミルクを直接受益施設に届け、またスタッフが施設を訪問して、粉ミルクが届いていることを確認しています。

---------------

HANKnet-Japan